青海波
青海波(せいがいは、せいかいは)は
1-1. 青海波(雅楽)[編集]
唐楽の演目の一つで、管絃と舞楽がある。盤渉調(ばんしきちょう)の曲。
管絃[編集]
現行曲としては、盤渉調の曲の他、黄鐘調の渡物もある。古文書の楽譜では、その他に盤渉調からの渡物である平調の楽譜と、双調の楽譜が見られる。元は平調だったが、その原曲の楽譜は現存しない。
舞楽[編集]
左方の二人舞。番舞は「敷手」。正式には「輪台」に続けて舞う。 二人の楽人がゆったりと袖を振りながら舞う非常に優美な舞で、源氏物語紅葉賀の場面に取り上げられたことで有名。
1-2. 装束[編集]
別装束を用いる。青海波と霞の模様が刺繍された下襲に、牡丹などが織られた半臂をまとい、千鳥が刺繍された袍の右肩を袒ぎ、太刀を佩き、別甲をかぶる。
2. 青海波(文様)[編集]
海面にみえる波頭を幾何学的にとらえた文様を青海波(せいがいは)という。古代から用いられた文様であるが、舞楽(ぶがく)「青海波」の装束に用いられたことからこの名がついたという。江戸時代の中期には、塗師(ぬし)青海勘七(せいかいかんしち)が特殊な刷毛を用いて巧みに描いたことによって、広く流布した。[1]
関連項目[編集]
- 八佾 - 中国の天子のみの八列の舞。論語の八佾第三で格下の季氏が舞わせ、孔子が批判している。
- 源氏物語 - 物語第七帖「紅葉賀」で、主人公・光源氏が頭中将と共に、十月に行われる朱雀院行幸のための試楽で舞った。だが、源氏を憎む弘徽殿女御が舞を見て不吉な言葉を発し、周囲の女房から「お人が悪い事」と言われた。
- ^ 並木誠士/監修『すぐわかる日本の伝統文様 名品で楽しむ文様の文化』東京美術、2006年、41頁。