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OH! ベスト

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OH! ベスト
岡村靖幸ベスト・アルバム
リリース
録音 1986年 - 2001年
ジャンル ポップス
時間
レーベル エピックレコードジャパン
プロデュース 岡村靖幸
チャート最高順位
岡村靖幸 アルバム 年表
禁じられた生きがい
(1995年)
OH! ベスト
(2001年)
Me-imi
(2004年)
EANコード
JAN 4988010222024
『OH! ベスト』収録のシングル
  1. ハレンチ
    リリース: 1996年12月1日
  2. セックス
    リリース: 1999年11月20日
  3. 真夜中のサイクリング
    リリース: 2000年4月19日
  4. マシュマロ ハネムーン feat. Captain Funk
    リリース: 2001年3月28日
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OH! ベスト』(オー! ベスト)は日本のシンガーソングライターである岡村靖幸の2作目のベスト・アルバム

2001年3月28日エピックレコードジャパンからリリースされた。5枚目のオリジナル・アルバム禁じられた生きがい』(1995年)よりおよそ5年3か月振りにリリースされた作品であり、1986年のデビューから2001年までにリリースされたシングル曲がすべて収録されている。

本作は岡村がEPIC・ソニー在籍時にリリースしたリミックス・シングル以外のシングルA面曲を網羅した全22曲のシングル・ベストであるが、一部の曲はシングル・バージョンではなくアルバム・バージョンもしくは既発の新録音バージョンでの収録となっている。岡村としては初のCD2枚組でのアルバムリリースとなり、またボックス・セットを除いて唯一の2枚組作品となっている。

本作はオリコンアルバムチャートにおいて最高位第19位となった。本作と同日に「マシュマロ ハネムーン feat. Captain Funk」がリリースされている。

背景[編集]

5枚目のアルバム『禁じられた生きがい』(1995年)をリリース後、岡村靖幸は12月23日に同作からのリカットとして18枚目のシングル「Peach X'mas」をリリース[3]。同日にはCS放送『YOHO』にライブ出演し、即興で「THEME OF YOHO」を披露した他にコギャルおよび巨乳ブームについてコメントした[3]。1996年に入り岡村は「真・禁じられた生きがい」と題したコンサートツアーを1月10日の広島厚生年金会館公演を皮切りに、2月13日の日本武道館公演まで9都市全13公演を実施した[4]。ツアー中の2月7日にはフジテレビ系音楽トーク番組『TK MUSIC CLAMP』(1995年 - 1998年)に出演し司会小室哲哉と対談を行い、2月8日には福岡県天神イムズにて行われたアーティストによる書き初め展に「なんしよっと?」という作品を出展[3]。4月5日には文芸・音楽誌『月刊カドカワ』において「岡村靖幸 [完全復活宣言]」と題した特集記事が掲載され、5月2日には岡村が作詞・作曲およびプロデュースを行った川本真琴のデビュー・シングル「愛の才能」がリリースされる[3]。その後「ピンク★ゲリラ'96」と題したクラブハウスライブツアーを6月11日および12日の赤坂BLITZ2日間連続公演を皮切りに、7月4日の日本武道館公演まで4都市全5公演を実施、赤坂BLITZ公演のアンコールにおいて松田聖子の楽曲である「赤いスイートピー」(1982年)および「小麦色のマーメイド」(1982年)を歌唱するも、途中で歌詞を忘れたために会場中の聴衆が合唱することになった[4][3]。12月1日には19枚目のシングル「ハレンチ」をリリースし、「ハレンチ」と題したコンサートツアーを12月12日の北海道厚生年金会館公演を皮切りに12月28日の大阪厚生年金会館公演まで5都市全6公演を実施、同ツアーではセットリストの3曲目において中森明菜の楽曲である「飾りじゃないのよ涙は」(1984年)を披露するものの、カンニングペーパーを凝視しながらの歌唱が波紋を呼んだ[4][3]

1997年1月31日には栗コーダーカルテットのライブに参加するものの、同年5月31日には岡村のファンクラブが活動休止となる[3]。1998年8月26日には岡村が作曲および編曲を行った西田彩栞のデビュー・シングル「どうなっちゃってるの どうだっていいんじゃない」がリリースされる[3]。1999年5月12日には岡村が元詩人の血およびoh! penelopeに所属していた辻睦詞と歌詞を共作した東京スカパラダイスオーケストラの楽曲「情熱のイバラ」が、マキシシングル「火の玉ジャイヴ」のカップリング曲として収録される[3]。6月14日には岡村の所属事務所であるリアルロックスによって「He'll soon back...」というタイトルの岡村靖幸公式ウェブサイトが開設され、6月30日にはホームページのタイトルが「Something will be arrived at the site on July 1999」に変更される[3]。7月1日午前0時丁度にホームページ上で新曲となる「SEX」の一部と「バンビ」が配信され、同月には岡村の新曲として「マシュマロ・ウエディング」というタイトルの楽曲が完成したとの噂が流れた[3]。8月14日には岡村の公式ウェブサイトにてインターネット特別番組『岡村靖幸 Summer Gift '99』が配信され、11月20日には20枚目のシングル「セックス」(1999年)がリリースされた。

リリース、チャート成績、構成[編集]

本作は2001年3月28日エピックレコードジャパンから2枚組CDにてリリースされた[5]。アルバムジャケットは洗剤のパッケージをイメージしたものになっており、また初回限定盤はデジパック仕様になっていた。5枚目のオリジナル・アルバム禁じられた生きがい』(1995年)以降にリリースされたシングル「ハレンチ」「セックス」「真夜中のサイクリング」「マシュマロ ハネムーン feat. Captain Funk」の4曲は本作にてアルバム初収録となった。本作はオリコンアルバムチャートにおいて最高位第19位の登場週数は7回となった[2]

芸術総合誌『ユリイカ7月臨時増刊号 総特集=岡村靖幸』においてライターのばるぼらは、リリースされると噂されていたオリジナル・アルバムの代替としてリリースされたのが本作であると述べた他、本作のリリースは岡村にとって不本意であったとも述べている[5]。ばるぼらは「シングルA面曲が網羅され入門編としては申し分ない」と述べているが、同時に「聖書バイブル」が3枚目のアルバム『靖幸』(1989年)に収録されたアルバム・バージョン、「Out of Blue」「Dog Days」がベスト・アルバム『早熟』(1990年)に収録された新録音バージョンでの収録になっている他、「パラシュート★ガール」「ハレンチ」が別バージョンでの収録になっているなど「単純にシングル・コレクションというわけではない」と指摘している[注釈 1][5]。また、ばるぼらは本作に関して「リマスタリングによる過剰な音圧が当時は耳に刺激的だった」とも述べている[5]

収録曲[編集]

  • CDブックレットに記載されたクレジットを参照[6]
DISC1
#タイトル作詞・作曲編曲時間
1.マシュマロ ハネムーン feat. Captain Funk岡村靖幸岡村靖幸、オオエタツヤ
2.Out of Blue岡村靖幸岡村靖幸、西平彰
3.Check Out Love岡村靖幸岡村靖幸、西平彰
4.Young oh! oh!岡村靖幸岡村靖幸、西平彰
5.Dog Days岡村靖幸岡村靖幸、西平彰
6.イケナイコトカイ岡村靖幸岡村靖幸、西平彰
7.Super Girl岡村靖幸清水信之
8.聖書バイブル岡村靖幸有賀啓雄、岡村靖幸
9.だいすき岡村靖幸岡村靖幸
10.ラブ タンバリン岡村靖幸岡村靖幸
11.友人のふり岡村靖幸岡村靖幸
合計時間:
DISC2
#タイトル作詞・作曲編曲時間
1.Peach Time岡村靖幸岡村靖幸
2.どぉなっちゃってんだよ岡村靖幸岡村靖幸
3.あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう岡村靖幸岡村靖幸
4.カルア ミルク岡村靖幸岡村靖幸
5.ターザン ボーイ岡村靖幸岡村靖幸
6.パラシュート★ガール (EZ a Go Go MIX)岡村靖幸岡村靖幸
7.チャーム ポイント (Private mix)岡村靖幸岡村靖幸
8.Peach X'mas (1995 mix)岡村靖幸岡村靖幸
9.ハレンチ (Thank you Takabashi-MIX)岡村靖幸岡村靖幸
10.セックス岡村靖幸岡村靖幸
11.真夜中のサイクリング岡村靖幸岡村靖幸
合計時間:

スタッフ・クレジット[編集]

リリース日一覧[編集]

No. リリース日 レーベル 規格 カタログ番号 最高順位 備考 出典
1 2001年3月28日 エピックレコードジャパン 2枚組CD ESCB-2220~2221 19位 [8][9][5]
2 2012年2月15日 ソニー・ミュージックダイレクト AAC-LC - - デジタル・ダウンロード [10]
3 ロスレスFLAC - - デジタル・ダウンロード [11]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 前述の指摘には含まれていないが、「チャーム ポイント」もシングル・バージョンではなく5枚目のアルバム『禁じられた生きがい』に収録されたアルバム・バージョンでの収録となっている。

出典[編集]

  1. ^ a b 岡村靖幸/OH!ベスト”. 国立国会図書館サーチ. 国立国会図書館. 2024年6月8日閲覧。
  2. ^ a b OH!ベスト|岡村靖幸”. オリコンニュース. オリコン. 2024年6月9日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k Quick Japan 2000, p. 102- 「ファンによるファンのための永久保存版-岡村靖幸神話が生まれるまでの全記録。」
  4. ^ a b c live|okamura yasuyuki”. 岡村靖幸公式サイト. V4レコード. 2024年6月8日閲覧。
  5. ^ a b c d e ユリイカ 2013, p. 270- ばるぼら「ポップカルチャー史でたどる、岡村靖幸全作品解説」より
  6. ^ OH! ベスト 2001, p. 2.
  7. ^ OH! ベスト 2001, p. 21.
  8. ^ 岡村靖幸 / OH!ベスト [2CD]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2024年6月8日閲覧。
  9. ^ 岡村靖幸/OH! ベスト”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2024年5月26日閲覧。
  10. ^ OH! ベスト/岡村 靖幸|音楽ダウンロード・音楽配信サイト”. mora. ソニー・ミュージックソリューションズ. 2024年6月8日閲覧。
  11. ^ OH! ベスト/岡村 靖幸|音楽ダウンロード・音楽配信サイト”. mora. ソニー・ミュージックソリューションズ. 2024年6月8日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]