狩野モデル
狩野モデル(かのうモデル)は、顧客満足度に影響を与える製品やサービスの品質要素を分類し、それぞれの特徴を記述したモデルである。1980年代に東京理科大学教授であった狩野紀昭によって提唱された[1]。マーケティングや品質管理の分野に対して多大な影響を与えたモデルであり、世界的にはKano Modelとして知られる[2][3]。
概要[編集]
顧客が製品やサービスに対して要求する品質について、「当たり前品質」「一元的品質」「魅力的品質」「無関心品質」「逆品質」の品質要素に分類する。一般に、顧客の満足度は品質の充足度に応じて変化するものであるが、狩野モデルによれば、その品質がどの品質要素に該当するかによって顧客満足度に与える効果が異なるとされる。
当たり前品質[編集]
充足されていても当たり前と受け取られるが、不充足であれば不満を引き起こす品質要素である。自動車でたとえるならば、「エンジンがかかる」という品質がこれに該当する。エンジンがかかったとしても当たり前と受け取られるが、エンジンがかからなければ不満を引き起こす。
一元的品質[編集]
充足されていれば満足を引き起こし、不充足であれば不満を引き起こす品質要素である。自動車でたとえるならば、「燃費が良い」という品質がこれに該当する。燃費が良ければ満足を引き起こし、燃費が悪ければ不満を引き起こす。
魅力品質[編集]
充足されていれば満足を引き起こすが、不充足であっても仕方ないと受け取られる品質要素である。自動車でたとえるならば、「車内にWi-Fiが搭載されている」という品質がこれに該当する。車内にWi-Fiが搭載されていれば満足を引き起こすが、Wi-Fiが搭載されていなかったとしても仕方ないと受け取られる。
無関心品質[編集]
充足されていても不充足であっても満足度には影響を与えない品質要素である。
逆品質[編集]
充足されていれば不満を引き起こし、不充足であれば満足を引き起こす品質要素である。
参考文献[編集]
- ^ 狩野, 紀昭; 瀬楽信彦、高橋文夫、辻新一 (April 1984). “魅力的品質と当たり前品質” (Japanese). 日本品質管理学会会報『品質』 14 (2): 39–48. ISSN 0386-8230. オリジナルの2011-08-13時点におけるアーカイブ。 .
- ^ “マーケティングのキーコンセプト|毎日新聞社”. 2018年6月2日閲覧。
- ^ “狩野モデルと商品企画:部門別スキル - 品質管理なら日本科学技術連盟”. 2018年6月2日閲覧。