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化け猫あんずちゃん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
化け猫あんずちゃん
漫画
作者 いましろたかし
出版社 講談社
掲載誌 コミックボンボン
レーベル KCデラックス
発表号 2006年8月号 - 2007年11月号
巻数 全1巻
映画
原作 いましろたかし
監督 久野遥子山下敦弘
脚本 いまおかしんじ
キャラクターデザイン 久野遥子
音楽 鈴木慶一
制作 シンエイ動画
Miyu Productions
製作 「化け猫あんずちゃん」製作委員会
配給 TOHO NEXT
封切日 2024年7月19日(予定)
上映時間
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

化け猫あんずちゃん』(ばけねこあんずちゃん)は、いましろたかしによる漫画作品およびそれを原作とした劇場アニメ作品。

作品解説[編集]

コミックボンボン』(講談社)にて2006年8月号から2007年11月号まで連載された。単行本はKCデラックスから全1巻。

当時のコミックボンボンは刊行末期の時期で、テコ入れとして青年誌を主戦場としていた作家が多数起用されていた。本作はその状況下で連載された作品の一つで、雑誌の休刊よりも1号前に最終回を迎えている。

化け猫として人間社会に馴染んだあんずちゃんの日常を描いた作品であるが、その日常の方向性としては現実路線となっている。児童誌らしいデフォルメされた絵柄とは裏腹に、市井の人々が苦しみながらも生き抜く姿が描かれる事が多く、ベテラン作家が募った当時のコミックボンボンにおいても異彩を放った。

ストーリー[編集]

南伊豆・池照町の一角にある草成寺で飼われていた猫、あんずちゃんは、10年、20年経っても死なず、30歳を過ぎて化け猫となっていた。飼い主であるおしょーさんの養子となり、寺の仕事を気まぐれにこなしつつ、日常生活をおくるあんずちゃん。彼と、町の人々との交流を描く不思議な物語。

漫画の登場人物[編集]

声の項は劇場アニメ版の声優。一部設定は劇場アニメと異なっている。

あんずちゃん
声 - 森山未來[1]
主人公。子猫の頃におしょーさんに拾われ、30歳を過ぎて化け猫となる。猫らしい気まぐれで大雑把な性格。
可愛い名前と外見だが、中身はおっさん。漫画では32歳だが劇場アニメでは37歳。
普段は寺男として過ごすが、一応、按摩の仕事もしている他、川のパトロールや祭りの屋台等の短期バイトをする事も。
按摩の出勤の際は原付を用いていたが、ノーヘルと無免許を警察に指導された後は自転車に乗り換える。
おしょーさんに拾われた際に、安心させるような笑い声を掛けられており、それに似た「ニャッハッハッ」という高笑いをよくする。
おしょーさん
声 - 鈴木慶一[2]
あんずちゃんの育ての親。草成寺の住職で、雷雨の夜に捨てられていたあんずちゃんを拾う。後継者問題に悩む。
おかみさん
おしょーさんの妻。あんずちゃんの気まぐれに振り回されがち。
突然カツ丼が食べたくなったあんずちゃんに、財布の1000円を抜き取られた事がある。
哲也
声 - 青木崇高[2]
おしょーさんの子。原作ではプロレスラーになる為に家を出ており、行方知れず。
劇場アニメでは、おしょーさんの子という設定に加え、かりんの父親として登場。
弦巻のおじいちゃん
あんずちゃんの唯一の客。
井上と林
あんずちゃんとつるむ小学生男子コンビ。一度地面に落ちた後で再加熱したイカ焼きを売りつけられた事がある。
吉田
川のパトロールであんずちゃんと知り合う男性。通称よっちゃん。2.5等身で特にデフォルメされて描かれている。
勉強のし過ぎで人生を踏み外し、貧乏神にも憑りつかれて不幸に苦しむが、あんずちゃんの活躍で復調する。
貧乏神
声 - 水澤紳吾[2]
よっちゃんに憑りつき、あんずちゃんとある勝負を繰り広げる。
劇場アニメでは地獄への道を案内する。
テキ屋の親分
「猫がイカを焼いたら面白い」という理由であんずちゃんに屋台の仕事を斡旋する男性。
あんずちゃんに汚いステテコを履かせる。
春山
父の教育過剰に悩む中学生男子。
一度はあんずちゃんの仲裁で救われるも、後にあんずちゃんの助言でグレた結果、酷い目に遭う。
ピーピーちゃん
山であんずちゃんに拾われた、ウズラのような外見の生き物。四匹存在する。
急成長した為に超自然的な存在を疑われ、山に還した際に、カエルの指摘で森の精霊と判明する。
カエル
地下道であんずちゃんと知り合う妖怪。自称、大妖怪カエルちゃん。
穴を掘るのが趣味で、地下道内で温泉を掘り当てた。
妖怪の知人を引きつれて深夜の寺に遊びに行くが、全員マイペースであんずちゃんを困惑させる。
たぬき
声 - 澤部渡(スカート[2]
カエルと共に寺を訪れる妖怪の一体。
事前に聞かされた内容よりもグレードダウンしたツマミに愚痴を零し、ダラダラと漫画を読んで過ごす。

書籍情報[編集]

  • いましろたかし『化け猫あんずちゃん』講談社〈KCデラックス〉、全1巻
  1. 2007年11月16日発売[3]ISBN 978-4-06-372388-5

劇場アニメ[編集]

化け猫あんずちゃん
監督 久野遥子
山下敦弘
脚本 いまおかしんじ
原作 いましろたかし
出演者 森山未來
五藤希愛
青木崇高
市川実和子
鈴木慶一
水澤紳吾
宇野祥平
音楽 鈴木慶一
主題歌 佐藤千亜妃「またたび」
撮影 牧野真人
編集 小島俊彦
制作会社 シンエイ動画
Miyu Productions
製作会社 「化け猫あんずちゃん」製作委員会
配給 TOHO NEXT
公開 日本の旗 2024年7月19日(予定)
製作国 日本の旗 日本
フランスの旗 フランス
言語 日本語
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日本フランスの合作で2024年7月19日に公開予定[1]。本作に声として出演する俳優が演技する実写映像をガイドに動きや表情を抽出してアニメーションにするロトスコープ手法を採用しており、セリフも撮影時に収録された音声がそのまま本編に使用されている[1]

いましろたかしのファンである山下敦弘の事務所に原作コミックが置かれており、それを、当時山下の助監督を務めていた近藤慶一プロデューサーが目にした事が、本作の企画が始まるきっかけとなった[4]

スタッフ[編集]

  • 原作 - いましろたかし[1]
  • 監督 - 久野遥子山下敦弘[1]
  • 脚本 - いまおかしんじ[5]
  • 音楽 - 鈴木慶一[2]
  • 主題歌 - 佐藤千亜妃「またたび」(A.S.A.B[2]
  • 編集 - 小島俊彦
  • キャラクターデザイン - 久野遥子
  • 作画監督 - 石舘渡子、中内友紀恵
  • 美術監督 / 色彩設計 - Julien De Man
  • 色指定 - 横井美加
  • コンポジット開発 - Guillaume Cassuto
  • 撮影監督 - 牧野真人
  • CG監督 - 飯塚智香
  • 音響監督 - 滝野ますみ
  • 撮影 - 池内義浩
  • 録音 - 弥栄裕樹
  • スタイリスト - 伊賀大介
  • 美術 - 龍田哲児
  • 助監督 - 安藤耕平
  • ラインプロデューサー - 植野亮
  • 実写制作協力 - マッチポイント
  • プロデューサー - 近藤慶一、Emmanuel-Alain Raynal、Pierre Baussaron、根岸洋之
  • 制作 - シンエイ動画、Miyu Productions[1]
  • 製作 - 「化け猫あんずちゃん」製作委員会[5]
  • 配給 - TOHO NEXT[5]

劇場アニメからの登場人物[編集]

かりん
声 - 五藤希愛[1]
哲也と柚季の娘。11歳。大人の前ではいい子だが、猫かぶり。
祖父の寺に置いていかれ、あんずちゃんに世話をしてもらう事となるが、
逆に金をあんずちゃんにパチンコで使い込まれる等、迷惑を被る。
亡くなった母に会いたい願望がある。
柚季
声 - 市川実和子[2]
かりんの母親。故人。
閻魔大王
声 - 宇野祥平[2]

評価[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g 森山未來が37歳の化け猫に!実写から変換するアニメ映画「化け猫あんずちゃん」公開」『映画ナタリー』ナターシャ、2024年2月22日。2024年2月27日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h "心震える予告編完成!『化け猫あんずちゃん』青木崇高、市川実和子ら追加キャストも発表". MOVIE WALKER PRESS. ムービーウォーカー. 8 May 2024. 2024年5月8日閲覧
  3. ^ 『化け猫あんずちゃん』(いましろ たかし)”. 講談社コミックプラス. 2022年2月27日閲覧。
  4. ^ x.com”. X (formerly Twitter). 2024年6月6日閲覧。
  5. ^ a b c 映画『化け猫あんずちゃん』公式サイト” (2024年2月22日). 2024年2月27日閲覧。

外部リンク[編集]