コンテンツにスキップ

パドルボード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

パドルボードPaddleboard)は、ウォータースポーツの一つ。板状の浮力体(サーフボード)の上に乗って、手を使って漕ぎ、などの水面を進む。

歴史[編集]

ボードに乗って海で遊ぶ、いわゆるボードライディングは、太平洋のポリネシアの島々で伝統的に行われてきた。

キャプテン・クックが初めてハワイ諸島に到達した時、ハワイアン達はボードにのって沖に漕ぎ出し、沖合のウネリや、海岸沿いのサーフブレイクを使って、水面を滑る、いわゆる波乗り(サーフィン)を嗜んでいたことが記録されている。

ボードライディングにおいては、パドリングの技量や体力が必須であり、この部分に注目して進化したのが、パドルボードである。

種目[編集]

ボードを用いたパドリング種目として、大きく二種類ある。

プローンパドルボード(Prone Paddleboard)、プローンボード(Proneboard)[編集]

プローン(うつ伏せ)の姿勢でボードに乗って左右交互に漕ぐのが、パドルボードの基本形。よりスピードを高める目的で、正座の姿勢で座り、両手で漕ぐニーリング(膝立ち)の姿勢で漕ぐ方法(ニーパドル)もある。

ハワイ、カリフォルニアなどでは、細長く、ラウンドボトムの形状のボードを用いたトレーニングやレースが盛んに行われている。レース種目としては、ボードの長さが12フィート(Stock Class)、14フィート、無制限のUnlimitedの3種類を用いた、数km〜数十kmの長距離で競われるマラソン型レースが中心である。

有名なレースとしては、ハワイ モロカイ島オアフ島の海峡横断するM2O、カリフォルニアのカタリナ島を周回するCatalina Classicなどが知られている。

ライフガードライフセーバーのレース種目として、ビーチスタートの折り返しコースで競われるパドルボード種目もよく知られている。レースでは、13歳以下の子ども向けのNipper(ボード長さが6フィート6インチ)、16歳以下のジュニア向けのCadet(ボード長さが8フィート10インチ)、オープンのMalibu(ボードの長さが10フィート6インチ)が用いられる。

スタンドアップパドルボード(Standup Paddleboard)、サップ(SUP)[編集]

カヌー等に用いるのと同等のパドルを使って、ボードを漕ぐ。主にボードの上に立つスタンドアップのスタイルで漕ぐので、スタンドアップ・パドルボードと呼ばれる。

道具[編集]

12フィート ストックボード (12' Stock Board)[編集]

一般的にプローンパドルボードのレースで用いられるのが、長さ12フィートでパドリング用に排水量型のボトム形状を持ったボード。

14フィート レースボード (14' Race Board)[編集]

長距離で競われるマラソンレースで、よりスピードを確保するために長さを確保したレース用プローンパドルボード。

アンリミテッド レースボード (Unlimited Race Board)[編集]

海峡横断レースなど、数十kmに及ぶマラソンレースで用いられる、長細いスピード重視のプローンパドルボード。19ftくらいの長さで、足でコントロールできるラダーシステムを搭載していることが多い。

ニッパーボード (Nipper Board)[編集]

元々は、オーストラリアのサーフ・ライフセービング協会(SLSAA: Surf Life Saving Association of Australia)の規格として設定された、6フィート6インチの長さの子供用パドルボード。スポンジ素材で作られたソフトタイプと、コンポジット素材のハードタイプがある。

SLSマリブボード (SLS Malibu Board)[編集]

SLSAAの規格として設定された、10フィート6インチの長さのパドルボード。ビーチスタートして沖ブイを周回し、最後は波に乗ってゴールするサーフレース用途に特化して進化してきた。

SLSレスキューボード (SLS Rescue Board)[編集]

SLSAAの規格として設定された、パトロールや救助に用いる目的のパドルボード。

ハワイアンライフガードボード (Hawaiian Lifeguard Board)[編集]

主にハワイのビーチで用いられる、よりサーフボードに近い形状のレスキューボード。

関連項目[編集]