ディープ・パープル・イン・ロック
『ディープ・パープル・イン・ロック』 | ||||
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ディープ・パープル の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1969年10月~1970年4月 IBCスタジオ デ・レイン・リー・スタジオ EMIレコーディング・スタジオ | |||
ジャンル | ハード・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
ハーヴェスト(オリジナル盤) EMI(※)→パーロフォン/WMG(リイシュー盤) ワーナー・ブラザース・レコード ワーナー/東芝音工(オリジナル盤) ワーナーミュージック・ジャパン(リイシュー盤および(※)) | |||
プロデュース | ディープ・パープル | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ディープ・パープル アルバム 年表 | ||||
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ディープ・パープル・イン・ロック (Deep Purple in Rock) は、イギリスのロックバンド、ディープ・パープルが1970年に発表したアルバム。
解説[編集]
シングル「ハッシュ」がアメリカで大ヒットし前途洋々にみえたディープ・パープルだったが、本国イギリスでは無名に近い存在であり、前作のアルバム『ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ』は大きくマスメディアに取り上げられ評判は上々だったものの、彼らをハードロック・バンドとして認知している者は少なかった。時を同じくして同国からデビューしたレッド・ツェッペリンが本国およびアメリカにて大きな成功を収めており着々とその地位を築きつつあった。
「レッド・ツェッペリンの成功で方向性が見えてきた。強力なリフとビートによるハードロックだ」…後にリッチー・ブラックモアがインタビューで語るとおり、今までのキーボーディストのジョン・ロードが主に持っていた音楽的な主導権がギタリストであるリッチー・ブラックモアに移行し、ギターを中心としたハードロック色の強いアルバムの構想が出来上がっていった。
レコーディングは、EMIレコーディング・スタジオ及びデ・レイン・リー・スタジオ、IBCスタジオにて、1969年10月から翌1970年4月の半年に渡って行われた。
エンジニアはマーティン・バーチ、アンディ・ナイト、フィリップ・マクドナルド。
機材はイアン・ハンスフォード、ミック・アンガスが担当した。録音は8チャンネル・マルチトラックレコーダーを使用しプロデュースはディープ・パープル自身が行った。
作品の特徴[編集]
ディープ・パープルがライブ演奏などで培った即興演奏のスキルが、強力なリフを中心としたハードロック的な曲調を支え、粗削りではあるが強いインパクトをリスナーに与えることに成功している。全曲がハードな出来栄えでこのアルバムの大きな特色となっている。
「イン・ロックは思いのほかハードに仕上がった。アルバムコンセプトには反ドラッグや高度な音楽的主張も織り込まれている」、「今までの内向的な姿勢から初めて外向的にシフトしたアルバムだった。あの時、このアルバムを出していなければ我々は失敗に終わっていただろう。周りを驚かせるような強力な要素が必要だった」…後にドラマーのイアン・ペイスはインタビューでこのように語っている。
イアン・ギランは「チャイルド・イン・タイム」はイッツ・ア・ビューティフル・デイ(1969年)のデビュー・アルバムの収録曲「ボンベイ・コーリング」を基礎に作られたと述べた[4]。ロジャー・グローバーも「ブラック・ナイト」がリッキー・ネルソンの歌った曲「サマータイム」を参考にして作られたと語っている[5]。
反響と影響[編集]
このアルバムの反響は大きく精力的なツアー活動と共にハードロック・バンド「ディープ・パープル」としての存在感を確かなものにしていった。同時にプロモーション用として発売されたシングル盤「ブラック・ナイト」の大ヒットがさらに追い討ちをかけた。本作は本国イギリスのヒットチャートにおいて最高4位を記録し長く上位にとどまった。しかしアメリカではプロモーションやツアー活動のタイミングの悪さも重なり最高143位に終わっている。
また、「スピード・キング」は後年、日産・スカイラインGT-R(R33型)、スズキ・アルト ターボRSのCM曲として使用されている。
ジャケット[編集]
このアルバムのジャケットに描かれている絵はアメリカ合衆国のサウスダコタ州キーストーンに位置しているラシュモア山の彫刻をパロディ化したものである。実際の像は4人の歴代大統領が彫られているが、ジャケットにはメンバー5人が、左からイアン・ギラン、リッチー・ブラックモア、ジョン・ロード、ロジャー・グローヴァー、イアン・ペイスの順で描かれている。
収録曲[編集]
- スピード・キング - "Speed King" - 4:18 / 5:51 (CD)[6]
- ブラッド・サッカー - "Bloodsucker" - 4:12
- チャイルド・イン・タイム - "Child in Time" - 10:15
- フライト・オヴ・ザ・ラット - "Flight of the Rat" - 7:52
- イン・トゥ・ザ・ファイア - "Into the Fire" - 3:29
- リヴィング・レック - "Living Wreck" - 4:30
- ハード・ラヴィン・マン - "Hard Lovin Man" - 7:10
アニヴァーサリー・エディション[編集]
発売25周年記念盤。オリジナルの版権を所持しているEMIから1995年にリリースされた(日本では1996年11月30日にワーナーミュージック・ジャパンよりリリースされた。CD番号はWPCR-888)。24ページのブックレット(英文)付きで、初回生産分はケースにメンバー5人のサインがプリントされている。さらに日本リリース盤では30ページの日本語による解説書が付属しており、本作の解説やメンバー・チェンジの経緯、歌詞の対訳などが掲載されている。
- スピード・キング - "Speed King" - 5:49
- ブラッド・サッカー - "Bloodsucker" - 4:10
- チャイルド・イン・タイム - "Child in Time" - 10:14
- フライト・オヴ・ザ・ラット - "Flight of the Rat" - 7:51
- イン・トゥ・ザ・ファイア - "Into the Fire" - 3:28
- リヴィング・レック - "Living Wreck" - 4:27
- ハード・ラヴィン・マン - "Hard Lovin Man" - 6:38
- ブラック・ナイト (オリジナル・シングル・ヴァージョン) - "Black Night" (Original Single Version) - 3:28
- スタジオ・チャット (1) - Studio chat (1) - 0:33
- スピード・キング (ピアノ・ヴァージョン) - "Speed King" (Piano Version) - 4:14
- スタジオ・チャット (2) - Studio chat (2) - 0:25
- クライ・フリー (ロジャー・グローヴァー・リミックス) - "Cry Free" (Roger Glover Remix) - 3:20
- スタジオ・チャット (3) - Studio chat (3) - 0:05
- ジャム・スチュー (アンリリースド・インストゥルメンタル) - "Jam Stew" (Unreleased Instrumental) - 2:30
- スタジオ・チャット (4) - Studio chat (4) - 0:40
- フライト・オヴ・ザ・ラット (ロジャー・グローヴァー・リミックス) - "Flight of the Rat" (Roger Glover Remix) - 7:53
- スタジオ・チャット (5) - Studio chat (5) - 0:31
- スピード・キング (ロジャー・グローヴァー・リミックス) - "Speed King" (Roger Glover Remix) - 5:52
- スタジオ・チャット (6) - Studio chat (6) - 0:23
- ブラック・ナイト (アンエディテッド・ロジャー・グローヴァー・リミックス) - "Black Night" (Unedited Roger Glover Remix) - 4:47
- 1~8. ピーター・ミューによるリマスタリング (アビーロード・スタジオ)。
- 9~20. ロジャー・グローヴァーによるオリジナルの8トラック・テープからのミックス。
メンバー[編集]
- リッチー・ブラックモア - ギター
- イアン・ギラン - ボーカル
- ロジャー・グローヴァー - ベース
- ジョン・ロード - キーボード
- イアン・ペイス - ドラムス
脚注[編集]
- ^ ChartArchive - Deep Purple
- ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.205
- ^ Deep Purple - Awards : AllMusic
- ^ Narendra Kusnur (2002年5月3日). “Ian Gillan, Mumbai, India. 3rd May 2002”. Mid-Day Newspaper. 2010年7月14日閲覧。
- ^ “The Making of Black Night”. Rumba Magazine (1993年). 2010年7月14日閲覧。
- ^ 冒頭部にバンドの即興演奏~オルガンのソロが存在する。アニヴァーサリー・エディション盤の解説によると、このイントロはIBCスタジオで1969年11月3~6日にレコーディングされたもので、 Woffleと言うタイトルまで付けられていた。LPではEMI盤に収録されていたが、アメリカ及び日本ではワーナーの意向でカットされた。