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ジロ・デ・イタリア2024

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジロ・デ・イタリア2024
レース詳細
コース107. ジロ・デ・イタリア
競技UCIワールドツアー2024 2.UWT
ステージ21
日付2024年05月04日 – 26日
距離3,317.2 キロメートル
距離ITA イタリア
スタートヴェナリーア・レアーレ
ゴールローマ
チーム22
参加人数176
完走人数142
平均速度41.865 キロメートル毎時
獲得標高44650 m
結果
優勝SLO タデイ・ポガチャル (UAE Team Emirates)
準優勝COL ダニエル・フェリペ・マルティネス (Bora-Hansgrohe)
3位GBR ゲラント・トーマス (Ineos Grenadiers)
ポイント賞ITA ジョナサン・ミラン (Lidl-Trek)
山岳賞SLO タデイ・ポガチャル (UAE Team Emirates)
新人賞ITA アントニオ・ティベーリ (Bahrain Victorious)
敢闘賞FRA ジュリアン・アラフィリップ (Soudal Quick-Step)
中間スプリント賞ITA アンドレア・ピエトロボン (Polti Kometa)
大逃げ賞ITA アンドレア・ピエトロボン (Polti Kometa)
チームFRA Decathlon-AG2R La Mondiale
◀2023
ドキュメンテーション

ジロ・デ・イタリア2024ジロ・デ・イタリアの第107回目の大会。2024年5月4日から5月26日までの日程で開催された。

出場チーム[編集]

ワールドチーム (18)プロチーム (4)

日程[編集]

ステージ開催日コースtype距離 (km)獲得標高ステージ勝者全体リーダー
1 05月04日ヴェナリーア・レアーレトリノ
丘陵ステージ
丘陵ステージ
1401850 mECU ジョナタン・ナルバエス ECU ジョナタン・ナルバエス
2 05月05日サン・フランチェスコ・アル・カンポサントゥアリオ・ディ・オローパイタリア語版英語版
中間ステージ
中間ステージ
1612300 mSLO タデイ・ポガチャル SLO タデイ・ポガチャル
3 05月06日ノヴァーラフォッサーノ
平坦ステージ
平坦ステージ
166750 mBEL ティム・メルリール SLO タデイ・ポガチャル
4 05月07日アックイ・テルメアンドーラ
丘陵ステージ
丘陵ステージ
1901700 mITA ジョナサン・ミラン SLO タデイ・ポガチャル
5 05月08日ジェノヴァルッカ
丘陵ステージ
丘陵ステージ
1781700 mFRA バンジャマン・トマ SLO タデイ・ポガチャル
6 05月09日ヴィアレッジョラポラーノ・テルメ
丘陵ステージ
丘陵ステージ
1801900 mESP ペラヨ・サンチェス SLO タデイ・ポガチャル
7 05月10日フォリーニョペルージャ
個人タイムトライアルステージ
個人タイムトライアルステージ
40.6400 mSLO タデイ・ポガチャル SLO タデイ・ポガチャル
8 05月11日スポレートプラティ・ディ・ティヴォイタリア語版英語版
山岳ステージ
山岳ステージ
1523850 mSLO タデイ・ポガチャル SLO タデイ・ポガチャル
9 05月12日アヴェッツァーノナポリ
平坦ステージ
平坦ステージ
2141300 mNED オラフ・コーイ SLO タデイ・ポガチャル
05月13日休息日
Jour de repos
Jour de repos
10 05月14日ポンペイクザーノ・ムトリ
山岳ステージ
山岳ステージ
1422850 mFRA ヴァランタン・パレパントル SLO タデイ・ポガチャル
11 05月15日フォイアーノ・ディ・ヴァル・フォルトーレフランカヴィッラ・アル・マーレ
平坦ステージ
平坦ステージ
2071850 mITA ジョナサン・ミラン SLO タデイ・ポガチャル
12 05月16日マルティンシクーロファーノ
丘陵ステージ
丘陵ステージ
1932100 mFRA ジュリアン・アラフィリップ SLO タデイ・ポガチャル
13 05月17日リッチョーネチェント
平坦ステージ
平坦ステージ
179150 mITA ジョナサン・ミラン SLO タデイ・ポガチャル
14 05月18日カスティリオーネ・デッレ・スティヴィエーレデゼンツァーノ・デル・ガルダ
個人タイムトライアルステージ
個人タイムトライアルステージ
31.2100 mITA フィリッポ・ガンナ SLO タデイ・ポガチャル
15 05月19日マネルバ・デル・ガルダリヴィーニョ
山岳ステージ
山岳ステージ
2225400 mSLO タデイ・ポガチャル SLO タデイ・ポガチャル
05月20日休息日
Jour de repos
Jour de repos
16 05月21日ラーザサンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデーナ
山岳ステージ
山岳ステージ
118.42151 mSLO タデイ・ポガチャル SLO タデイ・ポガチャル
17 05月22日セルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデーナブロコン峠イタリア語版英語版
山岳ステージ
山岳ステージ
1594200 mGER ゲオルク・シュタインハウザー SLO タデイ・ポガチャル
18 05月23日フィエーラ・ディ・プリミエーロパドヴァ
平坦ステージ
平坦ステージ
178550 mBEL ティム・メルリール SLO タデイ・ポガチャル
19 05月24日モルテリアーノサッパーダ
中間ステージ
中間ステージ
1572850 mITA アンドレア・ヴェンドラーメ SLO タデイ・ポガチャル
20 05月25日アルパゴバッサーノ・デル・グラッパ
山岳ステージ
山岳ステージ
1844200 mSLO タデイ・ポガチャル SLO タデイ・ポガチャル
21 05月26日ローマローマ
平坦ステージ
平坦ステージ
125300 mBEL ティム・メルリール SLO タデイ・ポガチャル

各賞の変遷[編集]

ステージ 区間勝者 総合首位

マリア・ローザ

ポイント賞

マリア・チクラミーノ

山岳賞

マリア・アッズーラ

ヤングライダー賞

マリア・ビアンカ

中間スプリント賞 インテルジロ賞
大逃げ賞

FUGA

敢闘賞
チーム総合首位

スーパー・チーム

1 ジョナタン・ナルバエス ジョナタン・ナルバエス ジョナタン・ナルバエス リリアン・カルメジャーヌ アレックス・ボーダン英語版 ダミアーノ・カルーゾ リリアン・カルメジャーヌ リリアン・カルメジャーヌ アマヌエル・ゲブレイグザビエル英語版 イネオス・グレナディアーズ
2 タデイ・ポガチャル タデイ・ポガチャル フィリッポ・フィオレッリ英語版 タデイ・ポガチャル キアン・アイデブルックス英語版 アンドレア・ピッコロ英語版 フィリッポ・フィオレッリ英語版 フィリッポ・フィオレッリ英語版 アンドレア・ピッコロ英語版 ボーラ=ハンスグローエ
3 ティム・メルリール英語版 ティム・メルリール英語版 フィリッポ・フィオレッリ英語版 フィリッポ・フィオレッリ英語版
4 ジョナサン・ミラン ジョナサン・ミラン リリアン・カルメジャーヌ リリアン・カルメジャーヌ フランシスコ・ムニョス英語版 イネオス・グレナディアーズ
5 バンジャミン・トマ英語版 マッティア・バイス英語版
6 ペラヨ・サンチェス英語版 フィリッポ・フィオレッリ英語版 ジュリアン・アラフィリップ
7 タデイ・ポガチャル ルーク・フラップ英語版 -
8 タデイ・ポガチャル キアン・アイデブルックス英語版 ロマン・バルデ デカトロン・AG2R・ラ・モンディアル
9 オラフ・コーイ英語版 カーデン・グローヴス英語版 アンドレア・ピエトロボン英語版 ミルコ・マエストリ英語版
10 ヴァランタン・パレ=パントル英語版 フィリッポ・フィオレッリ英語版 ヤン・トラトニク
11 ジョナサン・ミラン アントニオ・ティベーリ英語版 エドアルド・アッフィニ英語版
12 ジュリアン・アラフィリップ ジュリアン・アラフィリップ ジュリアン・アラフィリップ
13 ジョナサン・ミラン アンドレア・ピエトロボン英語版 アンドレア・ピエトロボン英語版
14 フィリッポ・ガンナ - イネオス・グレナディアーズ
15 タデイ・ポガチャル ナイロ・キンタナ
16 タデイ・ポガチャル ジュリアン・アラフィリップ デカトロン・AG2R・ラ・モンディアル
17 ゲオルク・シュタインハウザー英語版 ナイロ・キンタナ
18 ティム・メルリール英語版 ミルコ・マエストリ英語版
19 アンドレア・ヴェンドラーメ英語版 ジュリアン・アラフィリップ ジュリアン・アラフィリップ
20 タデイ・ポガチャル アンドレア・ピエトロボン英語版 ジュリオ・ペリツァーリ英語版
21 ティム・メルリール英語版 エウェン・コステュー英語版
最終成績 タデイ・ポガチャル ジョナサン・ミラン タデイ・ポガチャル アントニオ・ティベーリ英語版 アンドレア・ピエトロボン英語版 フィリッポ・フィオレッリ英語版 アンドレア・ピエトロボン英語版 ジュリアン・アラフィリップ デカトロン・AG2R・ラ・モンディアル

レース概要[編集]

第1ステージ - 5月4日(土)[編集]

2024年最初のグランツールは、イタリア北西部ピエモンテ州で開幕。序盤から6名の逃げ集団が形成され、リリアン・カルメジャーヌ(アンテルマルシェ・ワンティ)がマッダレーナ峠まで逃げ続け、初日のマリア・アッズーラを獲得。UAEチーム・エミレーツの高速牽引により、テイメン・アレンスマン(イネオス・グレナデイアーズ)、ロマン・バルデ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)は初日から遅れてしまう。マッダレーナ峠の下りで集団から7人の追走グループが生まれ、先頭に追い付くも、山岳賞のカテゴリーが付いていないサン・ヴィートの急峻な丘でタディ・ポガチャル(UAE・チームエミレーツ)がアタック。ジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナデイアーズ)のみが追従し、2人が先頭に立つ。下りでマキシミリアン・シャフマン(ボーラ=ハンスグローエ)が追いつき、3選手でスプリントとなり、ジョナタン・ナルバエスが初日のステージ勝利を飾り、初日のマリア・ローザを手にした。[1][2]

第2ステージ - 5月5日(日)[編集]

第2ステージは序盤、5人の逃げ集団が形成される。そこからアンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックし単独先頭となる。集団では、タディ・ポガチャルがバンクでチームカーを呼んだあとに転倒するアクシデントもあったが、集団に復帰。ポガチャルが集団に復帰後、メイン集団はUAE・チームエミレーツが牽引し、残り6.5km地点でピッコロを吸収。ゴールまで残り4.5kmとなった地点で、ポガチャルがアタック。ベン・オコーナー(デカトロン。AG2R・ラ・モンディアル)が反応するも引き離され、ポガチャルが単独で独走し、そのままフィニッシュ。ポガチャルは第2ステージでマリア・ローザを手にするとともに、グランツール全ての区間勝利を達成した。[3][4]

第3ステージ - 5月6日(月)[編集]

第3ステージは静かな序盤から始まり、4級山岳の手前でリリアン・カルメジャーヌが山岳賞ポイントのためにアタックし、この日唯一の山岳を先頭で通過。追従したダヴィデ・バッレリーニもその後メイン集団に吸収された。中間スプリントではカーデン・グローブスが先頭で通過。その後、フィリッポ・フィレオッリがアタックし、24名の先頭集団が形成された。メイン集団は一時分断されるも、43km地点までにはひと塊の集団となる。残り4.5kmの丘でミッケルフレーリク・ホノレ(EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックし、ポガチャルが反応。そこにゲラント・トーマスも加わり3人の先頭グループが形成されるも、最後は集団スプリントとなりティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)がステージ優勝を挙げた。[5][6]

第4ステージ - 5月7日(火)[編集]

第4ステージは、序盤4人の逃げ集団が形成される。フィリッポ・ガンナは逃げに加わるも30kmほどで集団へ戻り3人の逃げとなる。集団では、3級山岳の下り坂で集団落車が発生。ベン・オコーナーやビニヤム・ギルマイら10人ほどが巻き込まれる。ギルマイはその後走り出すも再び落車しレースを去った。残り4.8kmでメイン集団は逃げを捉え、残り4km地点でガンナがアタック。ゴール手前500mでガンナは捕まり2日連続の集団スプリントとなり、ジョナサン・ミランがステージを制した。[7][8]

第5ステージ - 5月8日(水)[編集]

序盤に逃げが形成されるも62km地点で吸収され、遅れていたスプリンターも合流し1つの大きな集団となる。中間スプリントを超えた直後に、バンジャミン・トマがアタックし、ミケル・ヴァルグレン、エンゾ・パレニ、アンドレア・ピエトロボンの4人の逃げ集団となる。集団スプリントが予想されていたもののメイン集団は逃げを捉えることができなかった。逃げからは先にピエトロボンが飛び出すも残り50mで捕まり、トラック選手でもあるトマがグランツール区間初優勝を挙げた。[9][10]

第6ステージ - 5月9日(木)[編集]

ストラーデ・ビアンケで知られる「白い砂埃」の未舗装路が登場する第6ステージ。序盤アタックはなかなか決まらず、残り84kmでようやく7人の逃げ集団が形成される。残り1kmでになっても集団は先頭を捉えることはなく、ペラヨ・サンチェス、ジュリアン・アラフィリップ、ルーカス・フラップの3人で通過。アラフィリップが残り150mでしかけるも、残り10mでサンチェスが抜き、ステージを制した。[11][12]

第7ステージ - 5月10日(金)[編集]

今大会1回目の個人タイムトライアル。34kmの平坦路の先に6.6kmの4級山岳を駆け上がるコースで行われた。88番目出走のフィリッポ・ガンナがトップタイムを記録した後、誰も更新することがなかった。最終出走となったタディ・ポガチャルも第2計測では47秒遅れていた。しかし、山岳に入ってから巻き返し、ガンナのタイムを17秒上回り、ジロ2勝目を挙げた。ダニエル・マルティネスは1分49秒遅れ、ゲラント・トーマスは2分遅れとなり、総合2位以下に2分半以上の差をつけることとなった。[13][14]

第8ステージ - 5月11日(土)[編集]

スタートからアタックが始まり、14人が逃げ集団を形成。しかし集団はチームUAE・エミレーツがコントロールしタイム差は拡大することなく最後の峠へ。残り4.3kmで最後まで逃げていたパレパントルを吸収。その後もベースを上げ、人数が絞られる中残り200mでスプリントを開始したポガチャルが前日に引き続きステージ2連勝を飾った。[15]

第9ステージ - 5月12日(日)[編集]

スタート直後から、ミルコ。マエストリ、アンドレア・ピエトロボンの2名が飛び出す。一時3分以上タイム差をつけるが、徐々に縮まり、残り28kmで集団からジュリアン・アラフィリップらがアタックし集団に合流し7人の先頭集団となる。そこからアラフィリップがアタックし、エウェン・コストューが追従。メイン集団からは残り8kmでジョナタン・ナルバエスがアタックし、先頭を捉え数秒差で逃げる。しかし、メイン集団のスプリントによりナルバエスは残り10mで捕まり、最終的にはオラフ・コーイが僅差で制し、グランツール区間初勝利を飾った。[16][17]

第10ステージ - 5月14日(火)[編集]

第1休息日明けの第10ステージ。スタートから逃げ出した選手に中盤に25人が合流し、27人の大きな逃げ集団が形成される。逃げ集団が残り37.2kmのインテルジロを通過した直後に、ヤン・トラトニックがアタックし逃げ集団から逃げ始める。トラトニックを、ロマン・バルデ、ヴァランタン・パレパントル、マルコ・フリーゴ、アンドレア・バジオーリの4名が追走し、1級山岳に突入する。フリーゴ、バジオーリが遅れる中、パレパントルが加速しバルデを引き離し、トラトニックを残り2.7kmで追い抜きつき離す。そのまま逃げ続けたパレパントルがプロ初勝利をジロで手に入れた。[18][19]

第11ステージ - 5月15日(水)[編集]

逃げは序盤に決まるもタイム差はあまりつかず、メイン集団が主導権を握るスプリントステージに。メイン集団からは残り20kmでアンドレア・ピッコロがアタックするもメイン集団に吸収。最後の集団ゴールスプリントでは集団の半ばで落車が発生。しかし前方には影響はなく、ジョナタン・ミランが今大会2勝目を挙げた。2着でフィニッシュしたティム・メルリールはスプリントで進路妨害があった年、集団最後尾の89位へと降格となった。[20][21]

第12ステージ - 5月16日(木)[編集]

スタートからアタックが始まり、スタートから約60kmで38名の大きな逃げ集団となりそこからアラフィリップ、ミルコ・マエストリがアタック。その後ろを7名が追走する形で残り15kmを切る。カテゴリが設定されていない最後の丘である「モンテ・ジョーヴェ」に入るとアラフィリップが加速し単独先頭に立ちそのまま逃げ切りジロ区間初優勝を挙げた。[22]

第13ステージ - 5月17日(金)[編集]

第13ステージ真っ平の平坦ステージ。序盤から逃げが決まると、集団はスプリンターチームがコントロールし、残り53kmで吸収。ゴールは集団スプリントとなり、ジョナサン・ミランが区間3勝目を飾った。[23]

第14ステージ - 5月18日(土)[編集]

2度目の個人タイムトライアルは、1度目とは異なり平坦なステージで行われた。56番目に出走した、イタリアのTTチャンピオンであるフィリッポ・ガンナが暫定トップタイムをマークし、誰も上回ることなく3年ぶりのジロ区間勝利を挙げた。最終出走のタデイ・ポガチャルは、第1計測ではガンナのタイムを4秒上回るも失速し、29秒遅れの区間2位となった。しかし、総合2位に上がったゲラント・トーマスとの差は3分41秒にまで拡大した。[24][25]

第15ステージ - 5月19日(日)[編集]

今大会最長の222km、獲得標高5700mの過酷な第15ステージでは、序盤に12人の逃げ集団が形成される。残り157.3kmの2級山岳を超えた後、メイン集団から50人の追走集団が発生し、ジュリアン・アラフィリップ、ナイロ。キンタナら追いかける展開となった。先頭集団ではゲオルグ・シュタインハウザーがアタックし、アッティラ・ヴァルテル、マイケル・ストーラーが追いかけ、キンタナも合流。残り13kmでキンタナが先頭に立つ。メイン集団ではUAEのラファウ・マイカの牽引でペースを一気に上げ、パッソ・ディ・フォスカーニョの頂上まで5kmでタディ・ポガチャルがアタック。ポガチャルは残り残り1.9kmでキンタナを捉え、今大会4勝目。総合2位のゲラント・トーマスと6分41秒もの大差をつける展開となった。[26][27]

第16ステージ - 5月21日(火)[編集]

第2休息日明けの3週目。当初のチマ・コッピであるステルヴィオ峠は事前にキャンセルされ、コースが変更されジョーゴ・ディ・サンタ・マリア・ウンブライルパスにチマ・コッピが懸けられる予定であったが、大雨による影響で前半の峠越えがすべてキャンセルされ118.7kmで争われた。

雨にもかかわらず序盤からアタックが勃発し、4人の逃げが成立する。残り32.8kmで、ジュリアン・アラフィリップが逃げからアタックし独走を開始するも、残り5.3kmで追走3人に追いつかれる。メイン集団ではラファウ・マイカがハイスピードで牽引し、ゲラント・トーマスが遅れ始める。タディ・ポガチャルはそのままペースを上げるもベン・オコーナー、ダニエル・マルティネスは付いていくことができなかった。先頭は、追走から追いついたペリッツアーリが残り1kmを先頭で通過するも、700mでポガチャルが追いつきそのまま引き離し、ジロ5勝目を挙げた。マルティネスは16秒遅れ、トーマスが49秒遅れとなり、総合2位、3位が入れ替わった。[28][29]

第17ステージ - 5月22日(水)[編集]

第18ステージ - 5月23日(木)[編集]

第19ステージ - 5月24日(金)[編集]

第20ステージ - 5月25日(土)[編集]

第21ステージ - 5月26日(日)[編集]

最終成績[編集]

総合成績[編集]

総合順位
選手チーム時間
1. SLO タデイ・ポガチャル pink jersey, general classificationblue jersey, mountains classificationUAE Team Emirates79時間14分03秒
2. COL ダニエル・フェリペ・マルティネス Bora-Hansgrohe+ 9分56秒
3. GBR ゲラント・トーマス Ineos Grenadiers+ 10分24秒
4. AUS ベン・オコナー Decathlon-AG2R La Mondiale+ 12分07秒
5. ITA アントニオ・ティベーリ マイヨ・ブランBahrain Victorious+ 12分49秒
6. NED テイメン・アレンスマン Ineos Grenadiers+ 14分31秒
7. COL エイネル・ルビオ Movistar Team+ 15分52秒
8. CZE ヤン・ヒルト Soudal Quick-Step+ 18分05秒
9. FRA ロマン・バルデ Team dsm-firmenich PostNL+ 20分32秒
10. AUS マイケル・ストーラー Tudor Pro Cycling Team+ 21分11秒
11. ITA フィリッポ・ザーナ Team Jayco AlUla+ 23分59秒
12. ITA ロレンツォ・フォルトゥナート Astana Qazaqstan Team+ 26分44秒
13. ITA ダヴィデ・ピガンゾーリ Polti Kometa+ 32分23秒
14. GER シモン・ゲシュケ Cofidis+ 33分55秒
15. POL ラファウ・マイカ UAE Team Emirates+ 37分05秒
16. FRA ヴァランタン・パレパントル Decathlon-AG2R La Mondiale+ 43分26秒
17. ITA ダミアーノ・カルーゾ Bahrain Victorious+ 48分16秒
18. ITA ルーカ・コヴィーリ VF Group-Bardiani CSF-Faizané+ 51分08秒
19. COL ナイロ・キンタナ Movistar Team+ 54分37秒
20. ITA ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ VF Group-Bardiani CSF-Faizané+ 56分32秒
21. FRA アレックス・ボーダン Decathlon-AG2R La Mondiale+ 1時間00分47秒
22. HUN アッティラ・ヴァルテル Team Visma | Lease a Bike+ 1時間04分46秒
23. ITA ニコラ・コンチ Alpecin-Deceuninck+ 1時間09分10秒
24. ITA ジョヴァンニ・アレオッティ Bora-Hansgrohe+ 1時間13分03秒
25. LUX ミヘル・リース Arkéa-B&B Hotels+ 1時間20分06秒
出典: ProCyclingStats


脚注[編集]

  1. ^ 三つ巴スプリントで決着のジロ初日 ナルバエがポガチャルを退け、勝利と共にマリアローザ獲得 - ジロ・デ・イタリア2024第1ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  2. ^ ジロ・デ・イタリア2024開幕 第1ステージはナルバエスが優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月4日). 2024年5月26日閲覧。
  3. ^ 最終山岳の麓でパンク&落車のポガチャル アタックを決め、ジロ初勝利と共にマリアローザを獲得 - ジロ・デ・イタリア2024第2ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  4. ^ ジロ・デ・イタリア2024 オロパ頂上ゴールの第2ステージはポガチャルが制してマリア・ローザを獲得|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月5日). 2024年5月26日閲覧。
  5. ^ ポガチャルがスプリントステージで驚きのアタック 白熱のスピードバトルはメルリールが勝利 - ジロ・デ・イタリア2024第3ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  6. ^ ジロ・デ・イタリア2024 第3ステージはメルリールが優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月6日). 2024年5月26日閲覧。
  7. ^ ガンナの終盤アタック実らず ミランが圧巻スプリントで2年連続の区間優勝 - ジロ・デ・イタリア2024第4ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  8. ^ ジロ・デ・イタリア2024 第4ステージはミランが優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月7日). 2024年5月26日閲覧。
  9. ^ スプリントチームの追走届かず 逃げ切ったトマがコフィディスに今季初勝利をもたらす - ジロ・デ・イタリア2024第5ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  10. ^ ジロ・デ・イタリア2024 第5ステージはトマが逃げ切り区間初優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月8日). 2024年5月26日閲覧。
  11. ^ 「白い道」登場のジロに新星現る サンチェスがアラフィリップを退け金星 - ジロ・デ・イタリア2024第6ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  12. ^ ジロ・デ・イタリア2024 第6ステージはサンチェスが区間初優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月9日). 2024年5月26日閲覧。
  13. ^ ポガチャルが40km個人TTで圧巻の走り 区間2勝目と共に総合リードを大幅拡大 - ジロ・デ・イタリア2024第7ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  14. ^ ジロ・デ・イタリア2024 個人TTの第7ステージはマリア・ローザのポガチャルが優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月10日). 2024年5月26日閲覧。
  15. ^ 難関山岳ステージをUAEが制圧 ポガチャルが2日連続勝利で総合リード拡大 - ジロ・デ・イタリア2024第8ステージ”. cyclowired (2024年6月1日). 2024年6月2日閲覧。
  16. ^ ナルバエスの奇襲実らず コーイがスプリントから念願のグランツール初勝利 - ジロ・デ・イタリア2024第9ステージ”. cyclowired (2024年6月1日). 2024年6月2日閲覧。
  17. ^ ジロ・デ・イタリア2024 第9ステージはコーイが初優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月12日). 2024年6月2日閲覧。
  18. ^ パレパントルが山頂フィニッシュで逃げ切り 憧れのバルデを退けプロ初勝利 - ジロ・デ・イタリア2024第10ステージ”. cyclowired (2024年6月1日). 2024年6月2日閲覧。
  19. ^ ジロ・デ・イタリア2024 第10ステージはV・パレパントルがプロ初優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月14日). 2024年6月2日閲覧。
  20. ^ 向かい風の集団スプリント マリアチクラミーノのミランが区間2勝目をゲット - ジロ・デ・イタリア2024第11ステージ”. cyclowired (2024年6月1日). 2024年6月2日閲覧。
  21. ^ ジロ・デ・イタリア2024 第11ステージはマリア・チクラミーノのミランが2勝目|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月15日). 2024年6月2日閲覧。
  22. ^ 元世界王者アラフィリップが逃げ切り 初出場で念願のジロ初勝利飾る - ジロ・デ・イタリア2024第12ステージ”. cyclowired (2024年6月1日). 2024年6月2日閲覧。
  23. ^ ジロ・デ・イタリア2024 第13ステージはミランが今大会3勝目|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月17日). 2024年6月2日閲覧。
  24. ^ ガンナが個人TTで平均速度53.4km/hの快走 ポガチャル退け3年振りのジロ勝利 - ジロ・デ・イタリア2024第14ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  25. ^ ジロ・デ・イタリア2024 個人TTの第14ステージはガンナが3年ぶりで区間優勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月18日). 2024年5月26日閲覧。
  26. ^ ポガチャルが獲得標高差5,700mの最難関ステージを制覇 マリアローザを大きく引き寄せる区間4勝目 - ジロ・デ・イタリア2024第15ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  27. ^ ジロ・デ・イタリア2024 クイーンステージの第15ステージはマリア・ローザのポガチャルが圧勝|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月19日). 2024年5月26日閲覧。
  28. ^ 雨でコース短縮の山頂フィニッシュ ポガチャルが逃げ捉え、圧巻の区間5勝目をマーク - ジロ・デ・イタリア2024第16ステージ”. cyclowired (2024年5月26日). 2024年5月26日閲覧。
  29. ^ ジロ・デ・イタリア2024 悪天候で短縮した第16ステージでマリア・ローザのポガチャルが今大会5勝目|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp”. www.cyclesports.jp (2024年5月21日). 2024年5月26日閲覧。

外部リンク[編集]