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クロラール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クロラール
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識別情報
CAS登録番号 75-87-6
KEGG C14866
特性
化学式 C2HCl3O
モル質量 147.387 g/mol
示性式 CCl3CHO
密度 1.512 g/cm3 at 20 °C
融点

−57.5 °C

沸点

97.8 °C

への溶解度 抱水クロラールを形成
エタノールへの溶解度 混和性
ジエチルエーテルへの溶解度 混和性
クロロホルムへの溶解度 混和性
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

クロラール (Chloral) は、有機化合物で、有機ハロゲン化物、アルデヒドの一種。IUPAC命名法ではトリクロロエタナール (trichloroethanal) と表される。トリクロロアセトアルデヒドとも呼ばれる。沸点 97.5 ℃ の無色の刺激臭のある油状液体で、エタノールに易溶。 電気陰性度の高い塩素原子が 3つ、クロラールのカルボニル基のα位に位置し、カルボニル炭素への求核的付加反応が有利となっている。

クロラールを水に溶解すると速やかに付加反応が起こり、抱水クロラール (CCl3CH(OH)2) に変わる。エタノールに溶解するとヘミアセタールであるトリクロロエチルアルコラートを生じる。そのため、通常、鎖状化合物ではアルデヒドに比べ不利な構造であるアセタールヘミアセタールがクロラールでは安定に存在する。このような性質を持つためクロラールの単体を得ることは比較的困難である。 アルカリと反応してクロロホルムギ酸に分解する。また、硫酸触媒として重合し 3量体の白色固体を生成する。

クロラールには、抱水クロラールと同様に沈静、催眠、抗痙攣作用があるが、その目的で使用されることは無い。服用すると水分、胃酸などにより容易に分解するためである。またクロラール自体の刺激性も強いためである。