まんさくの花
まんさくの花 | |
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ジャンル | ドラマ |
脚本 | 高橋正圀 |
出演者 |
中村明美 重田尚彦 生井健夫 平淑恵 横山万里子 荒木道子 山本学 宇野重吉 倍賞千恵子 ほか |
ナレーター | 中村明美 |
時代設定 | 昭和55年~現代 |
製作 | |
制作 | NHK |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1981年4月6日 - 10月3日 |
放送時間 | 15分 |
回数 | 156[1] |
番組年表 | |
前作 | 虹を織る |
次作 | 本日も晴天なり |
『まんさくの花』(まんさくのはな)は、1981年(昭和56年)4月6日から10月3日まで放送されたNHK連続テレビ小説第27作である。
概要[編集]
父と三人の娘の生き方を通して、現代の家族のあり方を見つめた作品[2][3]。
連続テレビ小説といえば「太平洋戦争を挟んだ時代に生きた女の一代記」という路線が定番だった時代に「完全な現代劇」として制作された(その前の現代劇作品は1976年度後期の大阪制作『火の国に』で4年半=9期ぶり)が、次作『本日も晴天なり』から定番路線に戻る(その後の現代劇作品は1989年前期の『青春家族』)[4]。
ヒロインは、当時無名塾の超難関テストを突破して、早稲田大学を卒業したばかりながら今作で本格女優デビューを飾った中村明美。
1981年の平均視聴率は37.1%、最高視聴率は42.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[5]。
完全版・総集編共にDVDは未発売。
2023年現在、秋田県が舞台の作品はこれよりなく、東北地方ではもっとも新作舞台から遠ざかっている[注 1][6]。
あらすじ[編集]
1年の半分が深い雪で埋もれる町、秋田県横手市の中里家は、父と娘の4人暮らし。妻に先立たれて以来、再婚もせずに3人の娘を育ててきた父・寛太は中学時代の数学教師で、赤ん坊の時養女としてこの家にもらわれてきた祐子は、澄子、朋子の妹としてわけへだてなく育てられ成長した。
昭和55年、雪深い横手の1月。祐子は高校卒業を目前に控えて、自分の進路について思いをめぐらせている。絵が好きで、県の美術展で知事賞をとったことがある祐子は、東京の芸術大学に進学し、絵の勉強をしたいと思っていた。
「お前の考えは地に足がついていない」
寛太は、最初のうちはそう言ってその願いを聞き入れなかったが、祐子の熱意におされて、ついに受験を許した。希望に満ちて上京した祐子だが、結果は不合格。
寛太との約束で、一時は就職を考える祐子だが、どうしても絵を学びたい気持ちを押さえることができない。思いつめた彼女は「私はもらい子だから好きなことはさせてもらえない」と叫んでしまう。見かねた長女の澄子にはほほを打たれ、はっと我にかえる祐子だが、でも、「東京に行きたい」という志望はおさえることができない。そんな気持ちを察した澄子は、夜明け前の凍りつくような朝、祐子を東京に送り出す。
上京した祐子は、絹代が切り盛りしているクリーニング店で、住み込み店員として働きながら、絵の勉強に打ち込むことになった。絹代は、祐子がこの冬横手の町で出会い、意気投合した若い未亡人で、店の従業員や近所の若者たちの草野球チームの監督もしている。
一方横手では、東京に出た祐子のことをひそかに気づかう寛太や澄子、そして姉よりも一歩早く結婚に踏み切った朋子たちの生活があった。
出演[編集]
- 三女/語り[7]中里祐子(18歳)
- 演 - 中村明美
- 主人公。血は繋がっていないが、中里家では末っ子として上の姉と同じように育てられる。地元の城南高校を卒業後、働きながら絵の勉強をする。
- 義父・寛太(57歳)
- 演 - 生井健夫
- 中学の数学教師。教え子が育てていけなくて困っていた赤ん坊をすすんで養女にした。それが祐子。妻に先立たれても、再婚せず子供を育てた。
- 長女・澄子(26歳)
- 演 - 平淑恵
- 町の図書館に司書として勤めている。祐子の良き理解者で母親代わり。
- 次女:朋子(24歳)
- 演 - 横山万里子
- 信用金庫に勤務。都会的ではっきりした性格。数あるボーイフレンドの中から理想の旦那を探し当てたが…。
- 寛太の姉・琴(60歳)
- 演 - 荒木道子
- 祐子のおば。しっかりもので世話好き。
- 森口達之助
- 演 - 山本学
- 祐子の実父。
- 井上善吉(57歳)
- 演 - 下川辰平
- 寛太の中学時代の同級生。中学以来気心が知れた親友同士でしょっちゅう家に出入りする。
- ふじ(43歳)
- 演 - 佐々木愛
- 小料理店「藤の木」のおかみさん。寛太と善吉がひいきにしている。
- 京子(16歳)
- 演 - 深水真紀子
- 祐子の後輩。高校で祐子と一番親しい友達。
- 伊吹絹代(39〜40歳)
- 演 - 倍賞千恵子
- クリーニング店の女主人。横手の町で祐子と偶然知り合って、家族とも意気投合。祐子は上京後、絹代の店で働きながら絵の勉強をする。母親のいない祐子の母親的存在。勝気で曲がったことが大嫌い。
- 伊吹恵(6歳)
- 演 - 大熊なぎさ
- 絹代の娘。
- 三郎(25歳)
- 演 - 重田尚彦
- 伊吹クリーニング店の従業員。少年時代は養護施設で過ごす。
- 多佳子(18歳)
- 演 - 影山仁美
- 都会的な女子学生。祐子の絵の研究所における親友兼ライバル。
- 鶴岡(39歳)
- 演 - 小坂一也
- 絹代のお店の近所で進学塾を開いている。絹代に激しいライバルを見せる。少年野球チームの監督も務めている。
- 柳田老人(版画家)
- 演 - 宇野重吉
- 祐子に“ものを見る心”を教える。
- 真弓
- 演 - 伊藤真奈美
- 祐子の親友。
- 交番の巡査
- 演 - 粟津號
- その他
- 演 - 柳原ハルヲ、坂口文昭、南城竜也、柳葉敏郎、伊東達広、寺泉憲
スタッフ[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ NHKクロニクル
- ^ 「テレビ・ネットワーク/『拳骨にくちづけ』『絶唱』ほか」『映画情報』第46巻第4号、国際情報社、1981年4月1日、69頁、NDLJP:2343765/69。(要登録)
- ^ 「ウイークエンド・ジャーナル」『婦人生活』第35巻第4号、婦人生活社、1981年4月1日、141頁、NDLJP:2324613/69。(要登録)
- ^ 『朝ドラの55年〜全93作品完全保存版』NHK出版、2015年10月。ISBN 9784144072130。
- ^ ビデオリサーチ NHK朝の連続テレビ小説【関東地区】より。
- ^ 「NHK放送史『朝ドラ100』」の「ご当地マップ」を参照。
- ^ オープニングのクレジットには「語り」の表記は無い。
関連文献[編集]
関連項目[編集]
- 日の丸醸造 - 放送をきっかけに誕生した秋田の地酒「まんさくの花」を製造販売している。
外部リンク[編集]
- 連続テレビ小説 まんさくの花 - NHK放送史
- 第27作「まんさくの花」 - NHK朝ドラ100
- 連続テレビ小説「まんさくの花」 - NHKドラマ
NHK 連続テレビ小説 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
虹を織る
(1980年度下半期) |
まんさくの花
(1981年度上半期) |
本日も晴天なり
(1981年度下半期) |