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円錐
円錐 (えんすい、英 : cone )とは、円 を底面として持つ錐 ( きり ) 状にとがった立体のことである。
三次元空間 内の直線 l と l 上の点 p を置く。点 p を通り、直線 l に平行 でも垂直 でもない直線を、 l を軸として回転させて得られる曲面 (回転面 )を円錐面 という。
さらに回転軸に直交 する平面 P をとり、円錐面と P とで囲む有界 で中身の詰まった立体図形を直円錐 あるいは単に円錐 という。
このとき、点 p をこの円錐の頂点 、頂点と底面との距離をこの円錐の高さ といい、直線 l (と円錐との共通部分)をこの円錐の母線 という。また、円錐と平面 P との共通部分をこの円錐の底面 といい、そうでない面を側面 という。底面は回転軸と平面 P との交点を中心とするような円になる。また、円錐の展開図 を書くと、側面は扇形 である。この扇形の半径 となるような線分 も母線と呼ばれ、この扇形の中心角 は円錐の頂角 と呼ばれる。
外観図と展開図
円錐は、錐体 の一種である。
高さを h 、母線の長さを c 、底面の半径を r 、底面積を B (
=
π
r
2
{\displaystyle =\pi r^{2}}
)、底面の周を b (
=
2
π
r
{\displaystyle =2\pi r}
)、 と置けば、円錐の側面積 S side 、表面積 S 、体積 V はそれぞれ以下で与えられる[1] :
S
s
i
d
e
=
π
r
c
=
π
c
c
2
−
h
2
=
1
2
b
c
{\displaystyle S_{\mathrm {side} }=\pi rc=\pi c{\sqrt {c^{2}-h^{2}}}={\frac {1}{2}}bc}
S
=
S
s
i
d
e
+
B
=
π
r
(
r
+
c
)
=
1
2
b
(
r
+
c
)
{\displaystyle S=S_{\mathrm {side} }+B=\pi r(r+c)={\frac {1}{2}}b(r+c)\,}
V
=
1
3
π
r
2
h
=
1
3
π
(
c
2
−
h
2
)
h
=
1
3
B
h
{\displaystyle V={\frac {1}{3}}\pi r^{2}h={\frac {1}{3}}\pi (c^{2}-h^{2})h={\frac {1}{3}}Bh}
標準化 [ 編集 ]
円錐面は、適当な直交変換 を行うことにより、次の陰関数 に帰着される。
a
X
2
+
b
Y
2
−
c
Z
2
=
0
{\displaystyle aX^{2}+bY^{2}-cZ^{2}=0}
式の形から、円錐面は二次曲面 の一種であることがわかる。また定義から直接に、円錐面は次の関数に媒介変数表示 できる。
{
X
=
a
cos
(
s
t
)
Y
=
b
sin
(
s
t
)
Z
=
c
t
{\displaystyle {\begin{cases}X=a\cos(st)\\Y=b\sin(st)\\Z=ct\end{cases}}}
円錐曲線 [ 編集 ]
円錐面を平面で切断したとき、その断面として現れる曲線 を総称して円錐曲線 という。解析幾何学 においてはこれが二次曲線と同値であることが示される。
一般化 [ 編集 ]
直円錐と斜円錐
一般に、ある平面 P 上の円 O と平面 P 上にない点 T が与えられたとき、O の円周上の点と T とを結んだ線分 の軌跡および円 O で囲まれる立体を斜円錐 あるいは単に円錐という。また、円 O をこの斜円錐の底面 、点 T をこの斜円錐の頂点 という。
底面でない面を側面、頂点と底面との距離を高さと呼ぶのは直円錐と同じである。
なお、斜円錐の頂点 T から平面 P に下ろした垂線の足が円 O の中心に一致するならば、この斜円錐は直円錐である。
また、直円錐は直線を交わる直線を軸にして得られた回転体であったが、仮に直線をそれに平行な直線を軸にして回転させると直柱体 になり、"ねじれの位置" にある直線を軸にして回転させると回転双曲面になる。
^ 「4次元以上の空間が見える」小笠英志 ベレ出版 ISBN 978-4860641184 のPP.178-185に、錐の体積=(1/3)×底面積×高さの公式の1/3はどうして1/3になるのかについての小学生も納得できる説明が載っている
関連項目 [ 編集 ]
ウィキメディア・コモンズには、
円錐 に関連するカテゴリがあります。
フィリピン にあるマヨン山 (ルソン富士)。成層火山の一例。